ネコと魔女が活躍する冒険物語を読みながら、英文法を初歩から確認してみませんか。児童英語を通過したのに英語が苦手な中・高生、もう一度英語にチャレンジしてみたい大人の方、ご自分のお子さんに何とか英語を教えたいお母さま、そして、なによりネコが好きでたまらない方向けに、書いてみました。
著者:滞英13年、英語指導11年
英検一級・CPE

ネコと魔女の英語で冒険
プロローグ
「ねえ、あんなとこに白いネコがいるよ」
自転車の後ろの座席で男の子が声を上げると、運転していたお母さんが急ブレーキをかけて止まりました。
「どれどれ? まあ、本当だ。真っ白じゃないの」
「うん、ねえ、家にもって帰ろうよ」
「だめよ。あのネコはきれいだもの。きっと誰かに飼われてるのよ。人のモノを勝手に取ってきちゃうのは、いけないことなのよ」
お母さんはそういうと、また自転車をこぎだしました。男の子はこちらを振り返って、いつまでもネコに手を振っています。
残されたネコは、揺れる手がだんだん小さく消えていくのを眺めながら、「腹が減ったな」とつくづく思いました。
「もう、三日も何も喰ってない。ゴミ置き場は最近ハズレが多い。それに、あの子の母ちゃんがいってたように、どこかに忍び込んで勝手に食べ物を取ってきちゃうのは、いけないことなんだ」
ネコは、やれやれと空を見上げると、その日の雲は見たこともないように大きな渦を巻いていました。やっと春になったのか、車道の割れ目から場違いなタンポポが一本、ひょろひょろと伸びています。ヒゲを近づけると魚の匂いがしてきて、「さあ、早く、早く。次の角を曲がるんだ」とささやく声がしました。
「ああ、草花まで食い物になって、オイラに命令するようになったのか。今日はかなりぶっ飛んでんな」とネコは思いました。それでも、いわれたとおり角を曲がると、誰かの家の庭にまぎれ込んでしまったようです。花壇には雑草が咲き乱れ、「ホラきた、ホラきた」とネコを眺めようと、押し合って背のびをしていました。
奥で突然家のドアが開いて、こっちに向かってわめいている人がいます。
「まったく、なんだってこんなに時間がかかってんだい? いい加減、待ちくたびれたさ」
よく見ると、それは黒いマントをはおって先のとがった長靴をはいた本物の魔女でした。
魔女はネコを手招きして家に入り込ませると、バタンとドアを閉めてカチリと中から鍵をかけました。
「お前、こんなことをしてる場合じゃないんだよ。まずは、これから必死にあたしとここで英語を学ぼうじゃないか」
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