タイムカマド(第1章2話)

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 魔女のレッスンは、一から百まで英語で数えるところから始まります。それから、カレンダーを出してくると、曜日と月の単語をネコにリピートさせるのです。さんざんアゴが疲れてきたら、今度は魔女がアルファベットを歌うように読み上げてくれるのですが、耳をふさぎたくなるほど魔女は音痴でした。

 その後、魔女はひとりでしゃべっています。何をいっているのかネコにはまるでわからないのですが、たぶん季節や天気の話じゃないかと思います。暑そうにしたり、寒そうにしたり、魔女はジェスチャーをしてくれるのでね。

 魔女の声を聞きながら、ネコは違うことを考えています。「雨が降るとあの橋の下で隠れていたなあ」とか、「寒い冬の日に、学校帰りの子どものマフラーにちょっかい出して、追いかけられたこともあったっけ」なんて、野良だった頃のことを思い出したりしているのです。

 ボーとしているネコに気づいたのか、魔女は急に立ち上がりました。そして、奇妙な呪文を復唱させます。「I, my, me, mine, you, your, you, yours …」。唱えても唱えても、虫一匹出てこない呪文なのに、魔女の顔はけっこう真剣です。

 フーッとため息をついてから、次は部屋にあるモノの指さし点検に移りました。ソファ(a sofa)、テーブル(a table)、鏡(a mirror)、水晶(a crystal ball)、タロットカード(tarot cards)に、十二個の香水びん(twelve perfume bottles)。

 「そうそう、もう数をいちいち数えるのはやめにして、some windowsといっておこうか。それに香水びんもa lot of perfume bottlesでいいよ」と、魔女が優しく教えてくれたので、ネコはうれしくなりました。ところが、テーブルのリンゴを「a apple」というと、魔女は首を横に振って、「an appleだよ。その方がいいやすい。その眼鏡はa pair of glasses」と不機嫌そうにいいはってます。

 鼻や耳、肩や足とお互いの体の部分も数えた後は、さすがに休憩タイムです。魔女は台所から自分とネコに、コーヒー(two cups of coffee)をもってきてくれました。ネコはもうその匂いからして、逃げ出したくなるほど嫌いになっているのですが、お礼はいうことにしています。「ありがとうごじぇえますだ」

 魔女はじっとネコを見つめてきました。いよいよレッスンの終わりにきまって聞かれる二つの質問の時間です。

「ワッチァネーム? ウェアユフロ?」

 ネコは何もわからないので、気まずい時間が流れます。それでもじっと魔女を見返すようにはしているのです。アイコンタクトは大切だといわれているのでね。それにどっちにしろ、レッスンはいつもそのまま終わるのです。

 ある日、あまりに沈黙が続くので、ネコは「あのお、オイラちょっと腹減ったんすが」と、おそるおそるいってみました。すると、魔女はうっぷして、テーブルに二回も頭をぶつけていました。


🐤ブンポウの話  

 すべてのモノを、いつも正確な数で表していくのには無理があるよね。そこで「いくつかの」と「たくさんの」という便利な二つの表現を覚えてしまおう。

●「some ~」と「a lot of ~(lots of ~)」

文中の表現

□some windows いくつか(2~3個)の窓

□a lot of perfume bottles たくさんの香水びん

 ㊟上記二つは「数えられる」「数えられない」単語どちらにでも使える 

 例)some water/a lot of money


Q)どうして魔女は「a pair of glasses」といいはったのだろう?

A)「a pairのa」に気を取られて眼鏡のレンズの数(2個)を数えるのを忘れて欲しくなかったから(a pair of glass ✕)

🔑魔女のレッスンでやっていた「I/my/me/mine」の表をつくっておこう!