暗闇の中で、ネコはやっと目を覚ましました。
身体を横たえたまま天井だけ見つめていると、日中起こったことがだんだんとよみがえってきます。
「まずは、オイラ腹が減ってたんだよな。そいで、魚の匂いがするタンポポがオイラに命令してきた。いわれたとおり角を曲がると誰かの家で、ドアを開けてくれたのが魔女だったっけ」
ネコは、怖いのか優しいのかわからない魔女から、その時いわれた言葉を思い出して、おかしさがこみあげてきました。
「あの魔女は、これからいっしょに英語を学んでいくんだっていってた。それも必死に。一体どこのネコが必死に英語なんか勉強しますかってんだ」
ネコがとりあえず起き上がろうとすると、すぐそばで柱時計が鐘を鳴らし出しました。「一、二、三 … 十三回?」ネコの全身の毛がツーンと立ち上がります。
「待てよ。ここはやっぱり魔女の家だ。だって寝る前にあの部屋で、魔女が極上の魚をオイラに食べさせてくれたんだもの」
明かりがもれてくるその部屋を、ネコがそっとのぞいてみると、あの魔女がコーヒーを入れているところでした。魔女はマントをはおっていないせいか、昼間と違ってどこにでもいるただの人間のように見えます。
「おやまあ、まさかお前、コーヒーを飲みたいなんていうんじゃないだろうね」
魔女はネコに気がつくと、手にしたポットを振り回してたずねました。その拍子に、テーブルに置いてあった青い缶にぶつかって、中から茶色いコーヒー豆がザラリと流れてきます。
魔女はうれしそうにその一粒をつまんでみせると、ネコを見ながらいいました。
「いいかい、さっそくレッスン開始だ。まずはどんなものでも数を数える。これが英語の基本だからさ」
魔女は「a coffee bean」と「a」を強調してはっきりといい切りました。そして、今度は手のひらにもう一粒の豆をたすと、「two coffee beans」と今度は「s」を強調して数えていきます。
ネコもみよう見まねで、いわれるままにコーヒー豆を数えていきました。すると、魔女は飲んでいた自分のコーヒーを突然指さし、「これは?」と聞いてきます。ネコが「a coffee」と答えると、魔女はテーブルをバタンとたたき「a cup of coffee」と甲高い声をはり上げました。とたんに、ネコは自分の白い手をカップの中に入れてしまい、熱くてギャインと跳び上がりました。
レッスンはこうして騒がしく続いていきました。おかげで夜が明ける頃には、ネコはたいそうなめらかに、英語が口をついて出るようになりました。それでも手足についたコーヒーの匂いには耐えきれず、その日はまた朝から爆睡するしかありませんでした。
🐤ブンポウの話
ボクはブンポウ。これからザックリとブンポウの話をしていくよ。
魔女がネコにコーヒー豆を数えさせたように、英語の世界ではモノを数でとらえる感覚を磨くことが重要だ。
●モノの数え方
1)「数えられるモノ」の数え方
①一個なら単語の前に a/anを置く
⇒a/e/i/o/uの母音で始まる単語は、aよりanを置こう
例)an apple, an orange … ←発音しやすいから
②二個以上なら単語の終わりに -sをつける(㊟-sのつけ方に例外あり)
③単数と複数で単語自体が変わるものがある
例)a child⇒two children, a woman⇒three women, …
2)「数えられないモノ」
①そのまま使う
②容器に入れるなどして、さまざまな数え方をする
例)a cup of coffee, a bottle of water, a piece of music, a game of tennis, …
👉「数えられないモノ」でも、それで終わりにしないで何とか数えようとしているところに注目しよう!
文法事項の参考文献
Murphy R. (2015). Essential Grammar in Use. Cambridge University Press.
英語監修:J. J. M. Queen