いよいよ今日は発表の日です。ネコは魔女の前で、英語で覚えたことを披露しなくてはなりません。それも一回も間違えることなく限られた時間内で、できるだけ多くの表現をよどみなくしゃべっていかなくてはならないのです。
「まあ、お前は素晴らしくやるだろうから、明日の朝食に魚一匹用意しといたよ」と、魔女はいってくれました。でも、魔女っていうのは機嫌が悪くなると、すぐにでも気が変わるのをネコは知っています。だからオチオチしてはいられないのです。
大きく息を吸ってから、ネコの発声が始まりました。魔女はリビングの隅であぐらをかいて、こっちを見ています。
まずは、一から百まで英語で数えていきました。コーヒー豆の練習のおかげで、これはスラスラといきました。ところが、急に魔女が「386は?」と聞いてくるので、「Three hundred and eighty-six」と答えてから、ちょっと喉が苦しく感じました。それでも、カレンダーのページをめくりながら、月と曜日の単語をいっていけば調子が戻ってきます。「It’s the 13th September, today. It’s nine o’clock. It’s a quiet night.」とつけ加えると、アルファベットの歌を歌い出したときは、ネコはプロのシンガーのようでした。魔女も手拍子を取ってくれます。
「これは楽勝だ」とネコは思いました。呪文だと思っていた「I, my, me」も、もはや早口言葉になっていました。お次はモノの紹介です。
「This is your sofa, and these are your tarot cards. That is your mirror, and those are your perfume bottles.」
ネコはその後も「Those are not my glasses. They are yours. Those windows are huge. They are not clean.」と続けて、表現に変化もつけました。
テーブルにフルーツの鉢が置いてあります。魔女がその日のために置いてくれたものらしいのです。ネコはわざとその時気がついたふりをして、「Oh, there are some fruits in a bowl.¹ There are two apples and three oranges.」と驚いたようにいいました。
ネコが魔女の顔をチラッと見ると、まったくの無表情でした。でも、発表は残すところ最後のスピーチだけです。ネコはこれにはちょっと自信がありました。前もって原稿を読み上げて、クモに発音チェックをしてもらったからです。ネコはまるでそこにたくさんの聞き手がいるかのように、部屋を見回して始めました。
I’m a cat, and I live in a lovely house.
I usually get up at five o’clock in the evening.
I never leave the house.
I study English, but I don’t go to school.
My teacher is a witch and she teaches me at home.
She sometimes loses her temper but basically she is a kind person.²
I do my homework every day, and I do it with a spider.³
The spider and I are now good friends.
I think I have an interesting life.
ネコが話し終わると、魔女はほほ笑みながらも首をかしげていました。
「たまげたな。脱帽だよ。まだ教えてないこともいってたけどね」
魔女は立ち上がるとしばらくの間、何もいわずにネコの目を見つめていました。「なんだろう、オイラ、ヘンなこといっちゃっただろうか?」とネコが一歩、二歩後ずさりすると、魔女は一歩、二歩とネコの方に迫ってきます。
「ワッチァネーム? ウェアユフロ?」
ネコは頭の中が真っ白になりました。「ええィ、何か答えるべきなんだ。そうでもしないと、まるまる一匹オイラの魚がどっかいっちゃう!」
「My name is Bernard. I’m from Pip Castle.」
魔女の茶色い目が一瞬でコーヒー皿のように大きくなりました。そして、つかまるところを探してヨロヨロとよろめきながら、そのままバタンと床に倒れてしまいました。
¹ fruit 本来「数えられない」が、ここでは種類として数えている
² lose one’s temper カンシャクを起こす
³ with ~ ~ と
(ネコのスピーチ直訳)
ボクはネコで、ボクは素敵な家に住んでいる
ボクは、たいてい夕方の五時に起きる
ボクは、決して家から出ない
ボクは英語を勉強するが、ボクは学校にいかない
ボクの先生は魔女で、彼女はボクを家で教えている
彼女はときどきカンシャクを起こすけど、基本的に彼女は親切な人だ
ボクは毎日宿題をやるし、ボクはそれをクモとやってる
クモとボクは、今はよい友だちだ
ボクは、面白いネコ生を送ってると思う
🐤ブンポウの話
「一般動詞」でつける三単現のS。もしbe動詞に慣れているなら、be動詞で「is」をとるような主語の文では、一般動詞に「-s」がつくと判断しよう。
●一般動詞(現在形)
◎三単現のS
・I eat breakfast every day.
・He eats breakfast every day. (㊟-sのつけ方に例外あり)
◎疑問文と答え方
・Do you eat breakfast every day? -Yes, I do./-No, I don’t.
・Does he eat breakfast every day? -Yes, he does./-No, he doesn’t.
㊟Doesを使ったら、動詞についた-sが取れる
🖊前置詞(on/in/at)
☆前置詞をイメージで覚えよう!
・日付のマスがある月ごとのカレンダーを用意しよう
on ~
曜日、日にちがそれぞれのマスの上にくっついているイメージ
例)on Friday, on the 2nd March, … ⇒on the wall, on a train, …
in ~
月は、より広い空間(2D/3D)の中にあるイメージ
例)in May, in winter, in 2027, … ⇒in a taxi, …
㊟last/next/this/everyをつけると、前置詞はいらない(on next Friday×)
・ボールペンで紙に点をつけよう(@mark)
at ~
場所の一点、時間の一瞬
例)at a party, at her house, … ⇒at the end of ~
例)at 5 o’clock, at midnight, …