英語のレッスンが終わるとすぐに、ネコは屋根裏部屋に直行するようになりました。そこで涼しい風にあたりながら、魔女から出された大量の宿題をやらなければなりません。
魔女のリビングにあったタロットカードは、あれはタロットではありませんでした。あれはただの暗記カードで、そこには「一般動詞」の単語がマジックで一個ずつ書かれていたのです。
「屋根裏部屋は、今はお前の部屋さ。心ゆくまで使っていいんだ。その代わり、カードはどんどん覚えるんだよ。だって『一般動詞』ってのは、星の数ほどあるんだから」
ネコは「まずった」と思いました。魔女が「星の数」という時に、両手を上げてほくそ笑んでいるのに気づいたからです。それに、どう考えても屋根裏部屋の使用と引き換えに、大量のカードの暗記だなんて、こんな割に合わないことってないのです。
ネコはしぶしぶカードの束を受け取りました。それでも忘れる方が得意なネコにとっては、暗記は思うようにはかどりません。とうとう部屋の窓わくにうっぷして、ベソ泣きしていると、思わぬことが起こりました。ネコはまた、あのクモを見かけたのです。
クモは窓わくの隅につくった自分の巣から、そばの電柱に引っかかっている子どもたちに、たくさんの足を振っていました。ネコに気づくとびっくりして跳ねてから、横歩きしています。
「やあ、アンタにまたここで会えるだなんて、オイラ、うれしいっすね」と涙をぬぐってネコの方から話しかけると、クモは「そういって頂けるなんて、わたくし光栄ですわ」と糸をたれて、カードの上に着地しました。
「下の窓は閉め切っていることが多くて、風がないでしょ。わたくし、ここから子どもたちを自立させましたの。それで、近頃疲れましてね。I have a stomach ache.」
「?」
「あら、わたくし変なこといいました? でもあなた、カードの暗記をしてるんでしょう? ほら、ここに書いてある …」
「have? ああ、これか。でも、haveは『もっている』っていう一般動詞っすよ」
「stomach acheは『胃痛』ですわよ。だから『胃痛がある』ってことですわ」
「へえ、英語では『胃痛って、もってる』っていうんすか?」
クモは、マジックで書かれた魔女の下手くそな文字を足の先で蹴りながら、「これだけ?」と驚いていました。
「こういう単語を習うときには、たった一つの単語の意味じゃなくてhave a stomach ache『胃痛がある』、go to school『学校へ行く』なんていうふうに、組み合わせで覚えるものなんです。たとえばtakeなんて単語にはいろんな意味があって、take an umbrella『かさをもっていく』、take a bath『風呂に入る』なんてどっさり。take ひとつだけじゃ、どう使うのかわからないでしょう?」
「すごいっすね。尊敬するっす。それじゃあ、その組み合わせってのを、ひとつひとつ教えてくれないすか。オイラ、アンタみたいにちゃんと英語を話したいっす」
「もちろんですわ。ちょうど子育ても終わったところだし、喜んで協力しますわ」
🐤ブンポウの話
いよいよ一般動詞に入ろう。まずは身近な日常表現から。英語表現の細かな部分を見るよいチャンスだと思って、注釈にも目を通してね。
●一般動詞
1)I get up.*¹
起きる
2)I wash my face.
顔を洗う
3)I eat breakfast. ㊟数えない breakfast
朝食を食べる
4)I brush my teeth. ㊟歯の単数は a tooth
歯を磨く
5)I go to school.*² ㊟数えない school(抽象)
学校へいく
6)I study maths, science and English.*³
数学、科学と英語を勉強する
7)I go home.*⁴
家に帰る
8)I do my homework.
宿題をする
9)I have(take) a bath.
風呂に入る
10)I go to bed. ㊟数えない bed(抽象)
寝る
*¹ getという動詞に「上への動きを表すup」をつけて「起きる」
*² 方向を表すtoをつける(come to ~/walk to ~/return to ~)
*³ 項目を並べる時、and(そして)は最後の項目の前に置く
*⁴ homeは名詞でなく副詞⇒go to home ✕
次のような表現がある⇒go home/come home/walk home/get home/arrive home
㊟但しstay at home/work at home〇
🔑副詞については、1-9参照
👉分析が終わったら、文を暗記しよう!