Author: boshiyo

  • タイムカマド(第2章5話)

     駅に着くとプラットフォームには、すでに黒塗りにRCと金文字で書かれた長い車両が出発を待っていました。人の姿はあまりないのですが、ホームの先の方で乗り込んでいる客がいるのか、列車の扉を閉める音がバタンバタンと構内に響きます。

     天井からつる下がった掲示板の時計を見ると、出発まであと十五分はありました。魔女は列車を指さし、近くにいる駅員にたずねました。

    「Does this train go to Pit Castle?」

    「Yes, Madam.」

    「How long does it take from here to Castle station?」

    「It takes exactly forty minutes.」

    「How far is it from the station to Pit Castle? Half a mile?」

    「No, I think it is about a mile.」

     駅員は答えてから、ネコに気がつくと「どうぞこちらへ(This way, please.)」といって、一等車まで案内してくれました。

    「ふん、二等車の切符を持ってるだけなのに、お前といると調子いいね」と、魔女はラテン語でつぶやきながら、ついていきます。駅員がコンパートメントから出ていくと、魔女は首だけ出して右に左に通路を確かめてから、ドアをカッチリ閉めました。そして、バスケットを肩から下ろすと、素早く窓際の席をとってドスンとすわり、バンザイしたまま足を伸ばします。

     「実をいうと、列車の旅は今までやったことがないんだ。いつもホーキで夜中にひとっ飛びのルートだから、なんか迷っちゃって。だけど、これはいいね(By the way, this is really good.¹)。車室も広いし、座席も快適だ(The compartment is huge and the seats are really comfortable.」

     ネコもとなりで伸びをしながら「ほいで、城に着いたら何食べるんすか。たいてい腕のいいシェフがそろってるんすよね」と、魔女に聞きました。

    「お前、冗談も休み休みおいいよ(Are you kidding me?)。食い物より、いよいよ本業の始まりだ(Stop thinking about food. It’s time for our main job.²)」

     魔女はネコの耳を両手で包み込むと、くすぐったくなるまで息を吹きかけ説明しました。

    なんでも魔女によると、毎月13日は城で定例会議が開かれる日なんだそうです。それは王族といっても王の近親者だけで催され、そこで決まったことは、ほぼ本決まりというぐらいの内密で重要な会議らしいのです。

    「ということは、その会議にオイラも出席するんすか?」

    「ああ、でもこっそりとだから、偵察っていった方がいいね」

    「偵察? 物騒っすね」

    「うん。物騒だけど、何かわかるかもしれないし。実はね、あたしはお父上の失踪には、絶対親族が関わってるんじゃないかと思ってるんだ」

    「ということは、オジのピピンだとか(You mean my uncle, Pippin?)」

    「そうさ(That’s right.)。ピピンなんて、あたしが一番に疑ってるヤツだ。お父上が失踪してから月初めのバルコニーのスピーチは、ヤツが代行するようになってはいる。臭いのは、あいつが思った以上にやる気になってるとこなんだよね」

    「はあ、じゃあピピンは英語ができるんすね(Well, then Pippin knows English?)」

    「とんでもない(No way!)。そんなのからきしダメさ(He is bad at English.³)。おまけにヤツにはユーモアもウィットもない(He also has no sense of humour or wit.⁴)。おかげで民衆はだんだん王族に失望して、そっぽ向いてきてる(His subjects are gradually losing faith in him.)。それなのに …」

    「それなのに?」

    「これを聞いたらがっかりするかもしれないけど、ピピンはロージーと結婚するらしい」

    「ええっ? オイラのロージーとっすか?」

    「うん、まあ、もともとお前たちは性格が合わなかったのもあるから、もうどうでもいいだろ? それにロージーはあのバルコニーの後、お前との結婚の書面はバッテンして破り捨てちゃったし」

     魔女の話に警告を鳴らすように、出発を告げる笛の音がピイーとあたりに鳴り響きました。すべるように列車が動き出して、お城に向かって引っぱられるように速度を上げていきました。

    ¹ By the way ところで

    ² for ~ ~のための

    ³ be bad/good at ~ ~が不得手で/得意で

    ⁴ also ~ ~もまた 

      noを入れた否定(have/There~の文で多い)

      or または


    🐤ブンポウの話 

    【文中の表現】

    □Does this train go to Pit Castle?  

     この列車はピット城へいきますか?

    □How long does it take from here to Castle station? ㊟動詞はtake

     ここからピット城へはどのくらい(時間が)かかりますか?

    □It takes exactly forty minutes.

     ちょうど40分かかります

    □How far is it from the station to Pit Castle? Half a mile?

     駅からピット城へはどのくらいの距離ですか? 半マイルですか?

    □No, I think it is about a mile.*

     いいえ、約1マイルあります

                  *about ~ 約~

    ●疑問詞 (2)

    ◎Howのいろいろな表現を押さえておこう

    ・How long ~?(時間・期間)・How far ~?(距離)

    ・How big ~?(大きさ)・How large ~?(広さ)

    ・How much ~?(量・値段)・How many ~?(数える数量)

    ・How old ~?(年齢)

    ・How often ~(頻度)

  • タイムカマド(第2章4話)

     ネコは魔女といっしょにパブで、魚とじゃがいもの揚げ物を食べていました。カウンター席はいっぱいでしたが、バスケットにいるネコに気づくとすぐに、長テーブルの席を誰かが空けてくれたのでした。

     給仕の男は気持ちよく注文を取るし、テーブルの上には白いリネンを広げてくれました。ネコは運ばれてきた好物のしっぽにかぶりつきながら、今さらながら、ここは何と違う世界だろうと思うのでした。

     まず一つめには、誰もが機関銃のような速さで英語をしゃべっていました。それはネコにとって、恐ろしいほどチンプンカンプンで、コーヒーの匂いを嗅いだときよりもっとすぐ、逃げ出したいくらいでした。そして、二つめに思うことは、人間たちがここではとてつもなくていねいで、見知らぬ人まで自分にあいさつしてくれることでした。

     「だって、ここは「ネコの王国」だもの(Because this is “the Kingdom of the Cats”.¹)。王族にはブシツケな態度はとれないからね。それにお前はどこから見ても真っ白で、上品なネコに見える(You are an impeccably white cat from every angle, and you look elegant.)。お前が「王族」の中でも上の上であることぐらい、誰だってわかるからね」

    「なるほど(I see.)」とネコが満足気にうなずくと、魔女は口をあんぐり開けています。

    「何です(What?)。なんかいいたいことでもあるっすかね(Do you have anything to say?)」

    「ああ、あるね(Yes, I do.)。いわせてもらえば、あたしはお前が『上品なネコに見える』っていっただけで『上品だ』なんていってないよ」

    「なんだそれ?」

    「お前は曲がりなりにも、バーナード皇太子さまだろ。一体いつになったら、その『オイラ』とか『そうっす』とかいう話し方、やめるつもりなんだい? お父上と再会したら、さぞかしがっかりされるんじゃないかねえ」

     ネコは何をいってるのか聞こえなかったふりして、あらぬ方を向いて黙っていました。すると、魔女は大量の酢を皿に振りかけながら、ネコに説教し出しています。

    「A prince has to be good and gracious, but doesn’t need to be posh. He must be confident, but mustn’t be arrogant. It might be difficult but you should try …」

     ネコは魔女の話をうわの空で聞きながら、次々に店に入ってくる客に手を上げてあいさつしていました。なぜって、みんなネコに気がつくと、あちらからにこやかに会釈してくれたからです。「こんな快適な旅、いっくらでも続けられるっす …」

     魔女は勘定を済ませると、給仕の男に聞いていました。

    「When is the next train to Pit Castle?」

    「It’s two thirty.」

     魔女がテーブルに戻ると、ネコが心配そうなようすでバスケットの中から首を出していました。

    「あの人、歯が痛いって今いってたんすよね(Tooth hurty?)。 だいじょうぶっすか(Is he OK?)」

    「あーあ、疲れた。もう歩きもホーキもやめにしたよ。ここからは列車で移動だ。We can catch the next train.」

    ¹ Because 本来接続詞だが、ここでは“why”への応答として一文だけ(口語的)


    🐤ブンポウの話 

    【文中の表現】

    A)A prince has to be good and gracious, but doesn’t need to be posh.

     プリンスは寛大でなければならないが、気取っている必要はない

    B)He must be confident, but mustn’t be arrogant.

     彼は自信がなくてはならないが、傲慢になってはいけない

    C)It might be difficult but you should try …

     そういうのって難しいかもしれないけれど、あなたはやってみるべきだ

    D)We can catch the next train.

     私たちは次の電車に乗れる

    ●助動詞(+動詞原形)

    A)have to(~しなくてはならない)⇒don’t have to ~(~しなくていい)

    A)need to(~する必要がある) ⇒don’t need to ~ = needn’t(~する必要ない)

    B)must(~しなくてはならない/~にちがいない)

    B)mustn’t(~してはいけない)

    C)might(~かもしれない)=may

    C)should*(~すべきだ)=ought to

    D)can(~できる)=be able to

    ㊟have to~とmust

    ・自分の意見をいう時は、どちらを使ってもよいが …

    ⇒一般的義務や事実をいうときはhave to

    ⇒規則をいう時や書面ではmustを使う


    Q)ネコはどうして「歯が痛い」と聞こえたのだろう?

    A)Two thirty. がTooth hurty. に聞こえたから

  • タイムカマド(第2章3話)

     「いいかい、タイムカマドの魔法はいつも一日もつか、もたないかなんだ。だから、時間がきて、ここから放り出されることになる前に、やるべきことをやっておこう」

     魔女はポケットから木のスプーンを引っぱり出すと、そのもち手の部分には、温度計のような赤い目盛りがついていました。魔女はそれをチラッと見てから再びポケットにスプーンを突っ込むと、指を鳴らしてホーキを消し去ります。それから、ネコをバスケットに入れたまま、テクテク歩き出しました。

     まだ秋が始まったばかりだというのに、そこは空気がヒンヤリとして、どこからか落ち葉が舞い落ちてくるような静けさがありました。それでも、どんよりとした空の下でも歩いていけば、多少疲れた心も晴れてくるものです。

    「ほら、地面が石畳に変わってきたよ。あたしら街に入ってきたんだ」

     街といってもそこは田園に囲まれた、のどかな小さい集落でした。道沿いにも高い木立ちが並び、枝と枝のすき間から運河の流れが垣間見えます。二艘のボートが杭につながれ、デッキの上に出てくる人の姿もありました。

    「ちょっと、かがんでくれますかね?」とネコが魔女に頼むので、魔女は立ち止まって、いわれたとおりにかがみ込みました。

    「あんなところで釣りしてるっす。魚でもいるんすかね」

    「魚なんか、どうでもいいだろ(Who cares about fish?¹)」と魔女が歩きだすと、またネコが聞いてきます。

    「ありゃなんです(What’s that?)。カカシかいな(Is that a scarecrow?)」

    「カカシ(A scarecrow?)どこ(Where?)」

    「すんまへん(Excuse me.)。ちょっと右向いてくれませんすか?」

     魔女は、とうとうしびれを切らしていいました。

    「いっただろ。We don’t have time to enjoy sightseeing. We are here to search for your father.」

    「?」

    「わかったよ(Fine.)。だったらお前のために、あたしが実況中継してやるよ。何が起こっているかは、『ビー動詞プラス一般動詞にアイエヌジー』」

     魔女はエヘンと咳払いすると「Well, three ducks are swimming in the canal. A man is fishing on the boat. Two children are eating some sandwiches.」と説明していきました。進むにつれてすれ違う人の数が増えて、中継の内容も変わってきます。

    「A woman is selling pink roses. A man is buying a loaf of bread.² A lot of people are

    drinking tea at the coffee shop.」

     魔女は急に立ち止まると、中継はいぶかしげな報告に変わっていきました。

    「The guy in the shop is strange. He is alone and restless. He’s looking around.³ He’s stealing a big piece of jewellery!⁴」

    魔女が「That’s a shoplifter!」と大声を上げると、犯人は群集をかき分けて、全速力で走り出しました。その後を、ようやくこん棒をもった警官が追いかけていきます。

    「The police officer is running very slowly.」

     魔女は「やれやれ」とため息をつくと、「あたしゃ、疲れた(I’m tired.)。I want something to drink.」といって、肩からバスケットをドスンと地面に下ろしました。

    ¹ care about ~ ~について気にかける

    ² a loaf of (bread) 一斤の(パン)

    ³ look around 見回す

    ⁴ a piece of (jewellery) 一個の(宝石)


    🐤ブンポウの話 

    【文中の表現】

    A)We don’t have time to enjoy sightseeing.

     私たちは観光を楽しむための時間はない⇒楽しんでる時間はない

    B)We are here to search for your father.

     私たちはあなたの父親を探すためにここにいる

    C)I want something to drink.

     私は、飲むための何かが欲しい⇒何か飲み物が欲しい

     前回やった不定詞の用法は、名詞的用法と呼ばれるものだった。不定詞はその他にも二つの用法がある。

    ●不定詞の用法

    ◎形容詞的用法「~するための、~すべき」

    例)文中表現 A)とC)

    1)はtime、3)はsomethingを修飾

    ◎副詞的用法「~するために、~して」

    例)文中表現 B)

    We are hereという文を修飾


    【文中の表現】

    □Three ducks are swimming in the canal. 三羽のアヒルが運河を泳いでいる

    □A man is fishing on the boat. 男がボートで釣りをしている

    □Two children are eating some sandwiches. 二人の子がサンドウィッチを食べている

    (以下訳のみ)

    「女性がピンクのバラを売っている。男がパン一斤買っている。たくさんの人がコーヒー店でお茶を飲んでいる」「あの店にいる男は奇妙だ。一人で落着きがない。キョロキョロしている。彼は大きな宝石一つを盗んでいる」「万引きだ!」「あの警察官はひどくゆっくり走っている」

    ●現在進行形

    ◎ be動詞+~ing「~している(ところだ)」

    ◎ nowだけでなくtoday/this week/this year等の表現でも使うことができる。

     例)I’m learning Italian this year.

    👉現在進行形をとらない動詞があるので注意しよう!

    like/prefer/want/need/know/mean/understand/believe/remember/forget

     例)I’m believing in ghosts.✕

  • タイムカマド(第2章2話)

     空の上でホーキをあやつる魔女ときたら、今までにないほどプロに徹していました。風は丘や谷を吹くたびに方角を変えて、ねじ曲がったり跳び上がったりしてぶつかってくるのでした。そんな中でもしっかりと柄を握って揺れに耐えたり、ときにジェットコースターのように上がったり下がったりして流れに乗っていく魔女の姿は、とても頼もしいものでした。

     「この魔女は、本当に魔女だったんだ。そして、オイラはオイラで、バーナードっていう名のネコだった。それに、このバーナードさまってのは、とっても高貴なネコらしい …」

     ネコは、出発前にスープを飲みながら魔女から聞きかじった話を、もう一度思い起こしていました。すべての話が信じられないほど新しいことばかりなので、ネコの頭は今にもパンクしそうになっていました。それでさっきから魔女に一つ一つ確認しようと、何度も「あのお(Excuse me.)」と切り出してはいるのですが、風の轟音が一瞬でそんな言葉はかき消してしまいます。

     ところが魔女ときたら、ホーキの揺れがちょっとでもおさまったからか、突然どこからこんな声が出るのかといった調子で、吠えるように話し出しました。

    「お前のお父上は、カール大帝といってね、この国を治める王さまなんだ。(Your father is King Carl the Great. He governs this country.)。それはそれは人望の厚い立派なネコだよ(He is widely popular and a splendid cat.)。民衆からの信頼も絶大だった(People greatly respect him.)。スピーチをさせるとすばらしく感動的で、聞いた民衆がこれからも頑ばろう、生きていこうって思うような内容だった」

    「?」

    「彼は英語に自信があった(He’s confident in English.)。だから英語っきりわからない民衆がついていった」

    「英語っきりわからない民衆? というとオイラの父ちゃんは、ふだん何語をしゃべるんすか(Well, then what language does my father usually speak?¹)」

    「えー? 何ていったあ(Excuse me?)」と、魔女が聞き返します。強風がここぞとばかりに吹いたようです。

    「ふだうーん、何語おーう、しゃべるんすかあー?」

    「それは、今こうしてお前とあたしが話しているこの言語だよ。これが、王族ネコの第一言語で『ラテン語』って呼ばれている。だけど、王族は英語もできるのが当然なんだよ。だって統治するものは、民衆の心もつかまなければ務まらないからね」

    「ふーん、なるほどおーう(Hmm, I see.)」とネコはあいづちを打ちながらも、やっぱりこれって夢かもしれないと思い始めました。もしかしたら、魔女がまた自分にリビングの水晶をのぞかせて、からかっているだけかもしれないのです。

    「ほいで、この夢でオイラはいつ父ちゃんに会うんすかね」

    「うーん、Do you want to see your father?」

    「?」

    「You like to spend time with your family, don’t you?²」

     魔女はそういうと、しばらく黙っていました。それから少し風がおさまってきたのに、「カール大帝は今、行方不明なんだあ(Carl the Great is now missing.)」と、絶叫しました。

    「えー、父ちゃんが行方不明(My father is missing?)」

    「ゆくえー、ふめええええーだ(Yes, he is.)」

    「もういいっす。こんな悲しい知らせ、叫ばれたってもっと情けないっす」

     魔女は聞こえないのか、勝手に続けています。

    「国のいたるところを探したんだよ。一つの岩も残すことがないくらいひっくり返してさ。だけど、どこにもいない」

    「だったら、オイラたち、これからどこいくんすか?」

    「Do you mind travelling to the castle? You like seeing lots of new places. それに、城にいけばお前の親族がたくさんいるし、今のところお父上の代理をやっているピピンがいる」

    「ピピン?」

    「ピピンはお前の叔父だよ(Pippin is your uncle.)」

    「オイラに親戚までいたんすか(Do I even have any relatives?³)。それなのに、オイラは誰のことも覚えてないなんて …」

    「ええ? 何ていったあ(Pardon?)」

     魔女は叫びながら、ホーキの柄を下に向けて着陸態勢に入りました。声を出し合っているうちに夜が明けて、地上に並んだ民家の赤い屋根に朝日があたっているのが見えたからです。

    ¹ then それなら

    ² …, don’t you? 文最後に否定形をつけて「…だよね」

    ³ even ~ ~でさえ


    🐤ブンポウの話 

    【文中の表現】

    A)Do you want to see your father?

     あなたは父親に会うことを欲している⇒会いたい?

    B)You like to spend time with your family, don’t you?

     あなたは家族といっしょにいることが好き?

    C)Do you mind travelling to the castle?

     あなたはお城へ旅することがイヤに思うか?  

    D)You like seeing lots of new places.

     あなたはたくさんの新しい場所を見るのが好きだ

     文型の学習を思い出してみよう。文の中に動詞(V)が一個入っていた。ここからは、文に二つめの動詞を加えて、表現をより複雑にしていく。

     やり方は二つ。加える方の動詞の形を変えることだ。動詞の前にtoを置くか、動詞に-ing*をつける。(意味は「~すること」というニュアンスになる)

                                ㊟*つけ方に例外あり

    👉どちらの形を使うかは、一つめの動詞が何かによって決まる

    ●不定詞(名詞的用法)

    ◎to+動詞の原形

    ◎不定詞とだけ結びつく一つめの動詞

    want/plan/decide/try/hope/expect/offer/forget/need/promise/refuse/learn …

    例)文中の表現 A)

    ●動名詞

    ◎動詞+ing     

    ◎動名詞とだけ結びつく一つめの動詞

    enjoy/stop/mind/finish/suggest …

    例)文中の表現 C)

    〇どちらの形とでも結びつく一つめの動詞*     

    like/love/start/prefer/hate/begin/continue …

    例)文中の表現 B)D)

     ㊟*多少の意味の違いが出る場合も

  • タイムカマド(第2章1話)

    〈第2章からの文章記載について〉

    ◎文法項目として取り上げる箇所は、英文に下線(or太字)で示した。

    (日本語訳は「ブンポウの話」参照)

    ◎各チャプターで、既に導入済みの文法知識を駆使し英訳できる日本文については、参考までに一例として訳をカッコ内に表記した。 


     魔女とネコのバーナードは、三つの大カマドの前にすわって、スープをすすっていました。魔女はジャガイモ、そしてバーナードはもちろん魚のスープでした。

    「ちょっといいにくいんすけど …」と、バーナードが顔をしかめていいました。「このスープひでえ味っす(This soup tastes horrible.)」

    「そうかい(Really?)。あたしのは上等だけど(Mine is good.)」

     魔女の顔色は、さっきよりだいぶよくなっていました。それに、この地下にある煮炊き場に移動してから、ずっとしゃべっていたのは、もっぱら魔女の方でした。

    「とにかく、自分の名前だけでも思い出してくれてホッとしたよ。お前が記憶を失くして、もうだいぶたつからね」

    「でも、それってオイラ、たまたま思いついた名前なんすけど …」

    「じゃあ、もう一度聞かせてもらうよ。What’s your name?」

    「My name is Bernard?」

    「Where are you from?」

    「I’m from Pip Castle?」

    「だから、それでいいんだ(It seems fine!)。ところでWhat time is it now?」

    「Well, it’s two o’clock in the morning.」

    「ええ! もうそんな時間かい(Is that the time?)。大変だ、急がなきゃ」

     魔女は残りのスープを飲み終えると、イスにかけてあったマントを急いではおりました。それから、真ん中のカマドめがけて次々に薪を投げ入れていくと、カマドの底からメラメラと炎が燃え上がって、魔女の顔も真っ赤になっていきます。

     「いいかい、これは先祖代々受け継がれるウチの偉大な魔法でね。左のカマドから『過去』『現在』『未来』とつながるタイムカマドだ。さあ、これからあたしらは、旅に出るんだよ」

    「でも、どうしてオイラは最初に真ん中の『現在カマド』ってのにいくんすか」

    「それはだね、さっきからいってるけど、『現在カマド』では本場の英語が『現在形』だけ使って話されているからさ。中途半端なお前にはうってつけだろ」

     ネコはわかったような、わからないような気がしましたが、とにかく魔女についていくことにしました。今さらジタバタしてもしょうがないし、実は自分にもこんな時がいつか来るんじゃないかと、うすうす感じてもいたのです。

     魔女はカマドの蓋を開け、木のスプーンでこね回すように、スープをしつこくかき混ぜました。それから、口の中でかすかに呪文を唱えてから、スプーンの端を思いっきりかじりました。続いてネコもそれをまねると底なしの宇宙に投げ込まれて、体が逆さになってグルグル回転しています。「ヒェー、あのひでえスープのせいだ」とネコが思ったとたん、お尻がパサリと何かにぶつかりました。

     それは緑の干し草でした。まだ夜中で見上げると、空には星々が輝いています。

    「This is your country.」と魔女がいいました。

    「Am I this country?」とネコが聞きました。

    「Yes, you are from this country.」と、魔女がいい直しました。

     マントのホコリをはらって魔女が指を鳴らすと、足下にホーキとバスケットがあらわれました。ネコがバスケットに跳び込むと、魔女はそれを背中に背負って、ホーキにまたがりバランスを整えます。

    「機は熟したよ。Let’s go!¹」

     ふんわり宙に舞い上がると、ネコは心臓がドキドキしてきました。そして、この胸の高鳴りは、地面がはるか遠くなり、切るような夜風に頬っぺたが冷たくなっても、なかなかおさまりませんでした。なぜって、今までいろんなことが起こったけれど、空を飛ぶだなんて、ネコは一度もやったことがありませんでしたからね。

    ¹ Let’s ~ ~しよう


    🐤ブンポウの話 

    【文中の表現】

    □What’s your name? あなたの名前は何?

    □Where are you from? あなたは、どこから(出身は)?

    □What time is it now? 今、何時?

    ●疑問詞 (1)

    What/Where/Who(Whose)/When/Why/Which/How

    ☆ここでは疑問詞を使った疑問文を組み立てて、その構造を理解しよう。

    状況設定:

     あなたが、ある人と話しているとする。その人の声が小さくて、よく聞き取れない

    1) “My name is Bernard.” 

    この文の太字の部分、つまり彼の名前が聞き取れなかった

    ⇒下線の部分をWhat(何?)で置き換える⇒Whatは一番前に出る⇒残りの部分を疑問文の形にしてくっつける(この場合はbe動詞の疑問形)

    完成文 *What is your name? ←相手に聞くから、myはyourに

    2) “I like green (colour).”

    この文の太字の部分、つまり何色が好きなのか聞き取れなかった

    ⇒下線の部分をWhat colour(何の色?)で置き換える⇒What colourは一番前に出る⇒残りの部分を疑問文の形にしてくっつける(この場合は一般動詞の疑問形)

    完成文 *What colour do you like? ←相手に聞くから、Iはyouに

    3) “My daughter buys a lot of oranges every day.”

    この文の太字の部分、つまり誰がオレンジを買うのか聞き取れなかった

    ⇒下線の部分をWho(誰?)で置き換える⇒すでに一番前にあるので位置はそのまま⇒残りもそのままくっつける

    完成文 *Who buys a lot of oranges every day?

    👉特に3)に注意しよう!


    🖊形容詞の応用(動詞+形容詞)  

    ◎以下の動詞に形容詞を結びつけると…

    1) look/feel/smell/taste/sound

    ・This soup tastes horrible.

    ・That sounds interesting. それって面白く聞こえる⇒それ面白そう

    2) get/become/seem

    ・I’m getting excited. 興奮してきた ←進行形(2-3参照)で起こり始めた変化

    ・It seems fine.

    ㊟次に名詞が続く場合は、次のような間違いをしないようにしよう

     例)You look a celebrity.✕ You look like a celebrity.〇

       It seems a magic spell.✕ It seems like a magic spell.〇

    🔑形容詞の基本的な用法は、1-7参照

  • 復習テスト

    🐤これで第一章は終わり。復習テストにチャレンジしてみよう。

    Q1)次に入るアリのように短い単語は何だろう?

    ・Narita is famous for ( ) airport.

     成田はその空港で有名だ

    Q2)どちらが正しい?

    A: There are three 14-years-old girls in our club.

    B: There are three 14-year-old girls in our club.

    Q3)英語では何というだろう?

    ・私は一日二回歯を磨く

    Q4)次の文章には、必ず一文に一個の間違いがある。探してみよう。

    1) I’m a cat, and I live a lovely house.

    2) I usually get up five o’clock in the evening.

    3) I leave never the house.

    4) I study English, but I don’t go school.

    5) My teacher is witch and she teaches me at home.

    6) She sometimes lose her temper but basically she is a kind person.

    7) I do my homework every day, and I do with a spider.

    8) The spider and I are now good friend.

    9) I think I have an interest life.

    答え

    Q1) its ←[it]の所有格 ㊟it’s✕

    Q2) B

    Q3) I brush my teeth twice a day. ←once, twice, three timesと数えていく

    Q4)

     1)a lovely houseの前の in が抜けている

     2) 時間の前のat が抜けている

     3) neverの位置が間違っている(動詞leaveの前)

     4) go toのtoが抜けている

     5) witchの前にaがない

     6) loseに三単現のsがない

     7) 二番目のdoの後にitがない

     8) friendが複数形でない

     9) interestではなくinteresting(形容詞)

    Well done! See you soon.

      

  • タイムカマド(第1章10話)

     いよいよ今日は発表の日です。ネコは魔女の前で、英語で覚えたことを披露しなくてはなりません。それも一回も間違えることなく限られた時間内で、できるだけ多くの表現をよどみなくしゃべっていかなくてはならないのです。

     「まあ、お前は素晴らしくやるだろうから、明日の朝食に魚一匹用意しといたよ」と、魔女はいってくれました。でも、魔女っていうのは機嫌が悪くなると、すぐにでも気が変わるのをネコは知っています。だからオチオチしてはいられないのです。

     大きく息を吸ってから、ネコの発声が始まりました。魔女はリビングの隅であぐらをかいて、こっちを見ています。

     まずは、一から百まで英語で数えていきました。コーヒー豆の練習のおかげで、これはスラスラといきました。ところが、急に魔女が「386は?」と聞いてくるので、「Three hundred and eighty-six」と答えてから、ちょっと喉が苦しく感じました。それでも、カレンダーのページをめくりながら、月と曜日の単語をいっていけば調子が戻ってきます。「It’s the 13th September, today. It’s nine o’clock. It’s a quiet night.」とつけ加えると、アルファベットの歌を歌い出したときは、ネコはプロのシンガーのようでした。魔女も手拍子を取ってくれます。

     「これは楽勝だ」とネコは思いました。呪文だと思っていた「I, my, me」も、もはや早口言葉になっていました。お次はモノの紹介です。

    「This is your sofa, and these are your tarot cards. That is your mirror, and those are your perfume bottles.」

     ネコはその後も「Those are not my glasses. They are yours. Those windows are huge. They are not clean.」と続けて、表現に変化もつけました。

     テーブルにフルーツの鉢が置いてあります。魔女がその日のために置いてくれたものらしいのです。ネコはわざとその時気がついたふりをして、「Oh, there are some fruits in a bowl.¹ There are two apples and three oranges.」と驚いたようにいいました。

     ネコが魔女の顔をチラッと見ると、まったくの無表情でした。でも、発表は残すところ最後のスピーチだけです。ネコはこれにはちょっと自信がありました。前もって原稿を読み上げて、クモに発音チェックをしてもらったからです。ネコはまるでそこにたくさんの聞き手がいるかのように、部屋を見回して始めました。

      I’m a cat, and I live in a lovely house.

      I usually get up at five o’clock in the evening.

      I never leave the house.

      I study English, but I don’t go to school.

      My teacher is a witch and she teaches me at home.

      She sometimes loses her temper but basically she is a kind person.²

      I do my homework every day, and I do it with a spider.³

      The spider and I are now good friends.

      I think I have an interesting life.

     ネコが話し終わると、魔女はほほ笑みながらも首をかしげていました。

    「たまげたな。脱帽だよ。まだ教えてないこともいってたけどね」

     魔女は立ち上がるとしばらくの間、何もいわずにネコの目を見つめていました。「なんだろう、オイラ、ヘンなこといっちゃっただろうか?」とネコが一歩、二歩後ずさりすると、魔女は一歩、二歩とネコの方に迫ってきます。

     「ワッチァネーム? ウェアユフロ?」

     ネコは頭の中が真っ白になりました。「ええィ、何か答えるべきなんだ。そうでもしないと、まるまる一匹オイラの魚がどっかいっちゃう!」

     「My name is Bernard. I’m from Pip Castle.」

     魔女の茶色い目が一瞬でコーヒー皿のように大きくなりました。そして、つかまるところを探してヨロヨロとよろめきながら、そのままバタンと床に倒れてしまいました。

    ¹ fruit 本来「数えられない」が、ここでは種類として数えている

    ² lose one’s temper カンシャクを起こす

    ³ with ~ ~ と


    (ネコのスピーチ直訳)

    ボクはネコで、ボクは素敵な家に住んでいる

    ボクは、たいてい夕方の五時に起きる

    ボクは、決して家から出ない

    ボクは英語を勉強するが、ボクは学校にいかない

    ボクの先生は魔女で、彼女はボクを家で教えている

    彼女はときどきカンシャクを起こすけど、基本的に彼女は親切な人だ

    ボクは毎日宿題をやるし、ボクはそれをクモとやってる

    クモとボクは、今はよい友だちだ

    ボクは、面白いネコ生を送ってると思う


    🐤ブンポウの話 

     「一般動詞」でつける三単現のS。もしbe動詞に慣れているなら、be動詞で「is」をとるような主語の文では、一般動詞に「-s」がつくと判断しよう。

    ●一般動詞(現在形)

    ◎三単現のS       

    ・I eat breakfast every day.

    ・He eats breakfast every day. (㊟-sのつけ方に例外あり)

    ◎疑問文と答え方

    ・Do you eat breakfast every day? -Yes, I do./-No, I don’t.

    ・Does he eat breakfast every day? -Yes, he does./-No, he doesn’t.

     ㊟Doesを使ったら、動詞についた-sが取れる

    🖊前置詞(on/in/at)

     ☆前置詞をイメージで覚えよう!

    ・日付のマスがある月ごとのカレンダーを用意しよう

    on ~

    曜日、日にちがそれぞれのマスの上にくっついているイメージ

     例)on Friday, on the 2nd March, … ⇒on the wall, on a train, …

    in ~

    月は、より広い空間(2D/3D)の中にあるイメージ

     例)in May, in winter, in 2027, … ⇒in a taxi, …

      ㊟last/next/this/everyをつけると、前置詞はいらない(on next Friday×)

    ・ボールペンで紙に点をつけよう(@mark)

    at ~

    場所の一点、時間の一瞬

     例)at a party, at her house, … ⇒at the end of ~

     例)at 5 o’clock, at midnight, …

  • タイムカマド(第1章9話)

     ある日、ネコは震える声でクモを呼びつけると、ビクビクしながらいいました。

    「なんか、庭で黒い影がウロウロしてないすか?」

    「どれどれ …」と、クモは窓わくから外にさっそく糸をたれてみましたが、誰もいません。

     「どうなさったんです? 最近ずいぶんビビッてますのね」

    「だって、昨日だったかな。オイラ見たんすよ、台所の窓を人が横切るのを」

    「そんなの、あの魔女にきまってますわよ。あの人、出かけたと思ったら帰ってきたり、庭から家の中をのぞいたり、本当何やってんだか、いつもせわしない。そのくせ、ホーキに乗って消えちゃうと、やたら長いですものね」

    「それもそうっすね。一体どこいってんすかね?」

    「それは遠いとこですわよ。死ぬほど遠い。だってね、あたし、知ってますの。そこでは誰もが英語を話しますのよ」

    「へえ」と、ネコはクモを見上げました。

     ネコにとって、クモはすでに称賛と尊敬の対象になっていました。ところが、その日のクモはそれを超えた、とてつもなく遠いところへネコを連れ込もうとしているかのように見えます。

     「わたくし、英語を話すところにいましたの。民家の軒先、駅の天井裏、どこで巣をはっても、そこでは英語っきり聞こえませんでしたわ。それにある時なんて、牢獄にもおりましたのよ。四角い換気用の穴から入り込んで、巣をつくるとじっとしてました」

    「はあ、でも、怖くなかったんすか。牢獄って悪い人が入れられるとこっすよね?」

    「まあね。そりゃ、いろんな罪人が収容されてきましたわ。わたしのいた独房では、みなさんひとりぼっちでしたから、ちょっと可哀そうでした。でもね、ひとりになると、何をするかおわかり?」

    「?」

    「それはね、ひとり言ですわよ。どんな人でも、しゃべりにしゃべくるんですの。それを聞いて、わたくし言葉を覚えたんですの」

    「へえ、罪人のひとり言で英語を? でも、アンタの発音ってとび抜けていいっすよ。まるで歌でも聞いてるみたいだ」

     ネコにいわれて、クモはドーパミンがあふれ出したのか、体をチリッと震わせました。

    「ふふふ。あたくし英語の構造は、よく心得ておりますのよ。牢獄の中にやたら文法に強いのがいて、わたしにいろんなことを教えてくださいましたの。たとえば、ほら、わたくしの体って二つの部分からなってますでしょ。でも、英語の文ってのは二つだけじゃなく、三つ、そしてときに四つの部分に分かれるんですって。そして、あたしに足がたくさんついているように、英語も足(副詞)がいろんな体の分かれ目から伸びているんです。変な生き物ですわよね。でも、複雑そうだけど、ただの足ですしね」

     ネコはその晩、クモの話を思い出してなかなか寝つけませんでした。

    「クモはどれだけ長く、暗く怖いところにいたんだろうか。それに比べて、オイラはちょっとの影でビクついたり、カードの暗記だけでベソまでかいてるだなんて」

    ネコはそう思うと、勇気のない自分をつくづく情けなく思うのでした。


    🐤ブンポウの話 (上級者向け) 

     英語の文型は複雑で面倒そうだ。その原因はクモがいうように、足のような副詞(副詞句)の存在があるからだと思う。副詞を取り除くと文型はもっと見えてくる。一方で、文型にとらわれていると速く読めない。最初のうちだけ、ザックリと意識*しながら簡単な文を多読しておこう。

     

    ●文型(S主語、V動詞、C補語、O目的語)

    ◎第一文型(S+V)  I/go(to school). ←to schoolは「副詞句」

    ◎第二文型(S+V+C)  I/am/Areopagita.

    ◎第三文型(S+V+O)  I/wash/my face.

    ◎第四文型(S+V+O+O) My friend/teaches/me/English.

    ◎第五文型(S+V+O+C)  I/call/him/Bernard.

    ㊟*アレオパギタ氏の文を三つに分ける方法も、厳密には第二だけでなく、第一文型もあったんだよ⇒We are in Pip Castle.

    🔑「I/my/me/mine」表なら、主語は「I」目的語は「me」の縦項目があてはまる

    ●副詞

    1)副詞の修飾(動詞、副詞、形容詞、文全体)

     例)下線部が副詞

      ①He is a very tall guy. ←tallは名詞guyを修飾する「形容詞」

      ②He runs very fast.

      ③He is a fast runner. ←このfastは名詞runnerを修飾する「形容詞」

      ④Actually, he is amazing.

    ㊟形容詞と副詞両方の働きをもつ単語は、fastの他hard/late/early

    ①「形容詞」tallを修飾するvery

    ②「動詞」runを修飾するfast

    ②「副詞」fastを修飾するvery

    ④ 文全体を修飾するActually.

    👉修飾する言葉に向かって、自分で矢印(⤵)をつけてみよう!

    2)副詞の位置はさまざま

    ◎文の最初(例④)や、程度を表す副詞は修飾したい単語の前(例①や②)

    ◎動詞の(目的語を伴うならその)後に置き、動作の様子を説明(②)

    ◎「頻度を表す副詞」⇒always/usually/often/sometimes/never

    ・He never speaks to me. ←一般動詞の前

    ・She’s always late. ←be動詞の後ろ

  • タイムカマド(第1章8話)

     英語のレッスンが終わるとすぐに、ネコは屋根裏部屋に直行するようになりました。そこで涼しい風にあたりながら、魔女から出された大量の宿題をやらなければなりません。

     魔女のリビングにあったタロットカードは、あれはタロットではありませんでした。あれはただの暗記カードで、そこには「一般動詞」の単語がマジックで一個ずつ書かれていたのです。

     「屋根裏部屋は、今はお前の部屋さ。心ゆくまで使っていいんだ。その代わり、カードはどんどん覚えるんだよ。だって『一般動詞』ってのは、星の数ほどあるんだから」

     ネコは「まずった」と思いました。魔女が「星の数」という時に、両手を上げてほくそ笑んでいるのに気づいたからです。それに、どう考えても屋根裏部屋の使用と引き換えに、大量のカードの暗記だなんて、こんな割に合わないことってないのです。

     ネコはしぶしぶカードの束を受け取りました。それでも忘れる方が得意なネコにとっては、暗記は思うようにはかどりません。とうとう部屋の窓わくにうっぷして、ベソ泣きしていると、思わぬことが起こりました。ネコはまた、あのクモを見かけたのです。

     クモは窓わくの隅につくった自分の巣から、そばの電柱に引っかかっている子どもたちに、たくさんの足を振っていました。ネコに気づくとびっくりして跳ねてから、横歩きしています。

    「やあ、アンタにまたここで会えるだなんて、オイラ、うれしいっすね」と涙をぬぐってネコの方から話しかけると、クモは「そういって頂けるなんて、わたくし光栄ですわ」と糸をたれて、カードの上に着地しました。

     「下の窓は閉め切っていることが多くて、風がないでしょ。わたくし、ここから子どもたちを自立させましたの。それで、近頃疲れましてね。I have a stomach ache.」

    「?」

    「あら、わたくし変なこといいました? でもあなた、カードの暗記をしてるんでしょう? ほら、ここに書いてある …」

    「have? ああ、これか。でも、haveは『もっている』っていう一般動詞っすよ」

    「stomach acheは『胃痛』ですわよ。だから『胃痛がある』ってことですわ」

    「へえ、英語では『胃痛って、もってる』っていうんすか?」

     クモは、マジックで書かれた魔女の下手くそな文字を足の先で蹴りながら、「これだけ?」と驚いていました。

    「こういう単語を習うときには、たった一つの単語の意味じゃなくてhave a stomach ache『胃痛がある』、go to school『学校へ行く』なんていうふうに、組み合わせで覚えるものなんです。たとえばtakeなんて単語にはいろんな意味があって、take an umbrella『かさをもっていく』、take a bath『風呂に入る』なんてどっさり。take ひとつだけじゃ、どう使うのかわからないでしょう?」

    「すごいっすね。尊敬するっす。それじゃあ、その組み合わせってのを、ひとつひとつ教えてくれないすか。オイラ、アンタみたいにちゃんと英語を話したいっす」

    「もちろんですわ。ちょうど子育ても終わったところだし、喜んで協力しますわ」


    🐤ブンポウの話 

     いよいよ一般動詞に入ろう。まずは身近な日常表現から。英語表現の細かな部分を見るよいチャンスだと思って、注釈にも目を通してね。

    ●一般動詞

    1)I get up.*¹       

     起きる

    2)I wash my face.     

     顔を洗う

    3)I eat breakfast. ㊟数えない breakfast  

     朝食を食べる

    4)I brush my teeth. ㊟歯の単数は a tooth   

     歯を磨く

    5)I go to school.*² ㊟数えない school(抽象)         

     学校へいく

    6)I study maths, science and English.*³

     数学、科学と英語を勉強する

    7)I go home.*⁴

     家に帰る

    8)I do my homework.

     宿題をする

    9)I have(take) a bath.

     風呂に入る

    10)I go to bed. ㊟数えない bed(抽象)

     寝る

    *¹ getという動詞に「上への動きを表すup」をつけて「起きる」

    *² 方向を表すtoをつける(come to ~/walk to ~/return to ~)

    *³ 項目を並べる時、and(そして)は最後の項目の前に置く

    *⁴  homeは名詞でなく副詞⇒go to home ✕

    次のような表現がある⇒go home/come home/walk home/get home/arrive home

    ㊟但しstay at home/work at home〇

                          🔑副詞については、1-9参照

    👉分析が終わったら、文を暗記しよう!

  • タイムカマド(第1章7話)

     魔女はある日、玄関先の姿見の前にネコを連れてくると、動かないように両手でその体を固定させました。そして「そのまま、そのまま、そのままで。じっとしながらそのままで」と、わけのわからないことをいい出しました。

     「呪文かな?」とネコが待っていると、その次にやることは、リビングから青い小びんを取ってきて、ネコの頭からシャカシャカと振りかけます。

    「すんまへん。オイラ、コーヒーの次にその『シトラスの香り』ってのがね」とネコが逃げようとすると、魔女はネコを押さえ込んで、もう一度鏡の前に引きずってきました。そして、右手の親指と中指をこすり合わせて、パチンと音をたてると、手の中に金色のリボンがあらわれています。

    「うわあ、魔法だ! 初めて見た」

     ネコがその巧みな指さばきに目を見はっていると、魔女はリボンをグルグルとネコの首に巻きつけていきました。

    「なんすか、これ? なんかかゆいぞ、かゆいマジック?」

     ネコが首を引っかき出したのに、魔女は膝をついてネコの後ろでかがみ込むと、鏡の中で視線を合わせようとネコの目を追いかけてきました。それから、低い声でやたら抑揚をつけてしゃべり出します。

    「You have beautiful eyes.¹ The left eye is green and the right one is blue.²」

    「はい、顔に二つの目があるんすよ。鼻と口とがあって。だけど、この首のひも、取ってくれませんかね。やたら、かゆくて」

    「Your ears are clean and your tail is long. You have splendid whiskers, and strong sharp nails. You are beautiful.」

    「わかったっす。I am beautiful cat. I am beautiful cat. やめてくれーい、かゆいマジック!」

     ネコがわめき散らすと、魔女はリボンを引っぱって外しました。ネコが窒息しそうな首をなでなで、発疹が出ていないか足の裏をチェックしてると、魔女は「まったく! それをいうなら、I’m アッ、アッ、アッ」といいながら、カーぺートを手の平で三回たたいています。

     何を思い出したのか、魔女は突然立ち上がってかけ出そうとしました。そしたら、金のリボンに足元を取られて、その場にひっくり返っています。「Yup」と魔女がくちびるから息を吹き出すと、ピィーとやかんの音がして、どうやら台所でお湯が沸いたようでした。

    ¹ have もっている 1-8参照

    ² one ここではeyeを指す(複数だとones)


    🐤ブンポウの話 

     「形容詞」という種類の単語は、名詞の前に置いてその説明(修飾)をしたり、単独で性質・状態を説明する。文中の表現を拾ってみよう。

    ●形容詞の使い方(下線部が形容詞)

    □You have beautiful eyes.①

     あなたは美しい目をしている

    □Your ears are clean and your tail is long.②

     あなたの耳はきれいで、しっぽは長い

    □You have splendid whiskers, and strong sharp nails.③

     あなたは、立派なヒゲと強く尖った爪をもっている

    □You are beautiful.④

     あなたは、美しい

    ◎名詞(モノ・人)の前に置いて、名詞を修飾(例文①と③)

    ◎単独で主語の性質や状態を説明(例文②と④)

    🖊「a」から「the」へ

     モノは数えてa/anあるいは-sをつける

    ⇒最初から特定できるモノ、あるいはすでに話に出てきて特定できるモノとなったならa/anの代わりに「the」をつける

    例)

    ・Tokyo is the capital of Japan. ←日本の首都は一つ、他にない

    ・I love this garden. The flowers are beautiful. ←前の文から「この庭にある花」と特定

    ・Where’s the station? ←街にある特定の駅を意味している

    文中の表現

    □The left eye is green and the right one is blue.

     前の文でネコの目のことをすでに話している(体のパーツはたいてい最初から特定できる)

      ㊟left/green/right/blueはすべて形容詞


    Q)どうして魔女は「I’m アッアッアッ」といったのだろう?

    A)ネコが「a」を入れ忘れたことを気づかせようとくり返した

    ⇒I’m a beautiful cat.

    Q)魔女は「Yup(うん)」といったけど、本当は何といいたかったのだろう?

    A)2-11参照